共存に大切な服従訓練を行いましょう

犬との生活をよりスムーズにするために「オスワリ」「フセ」「マテ」「コイ」の4っの基本の服従訓練をマスターさせましょう。
服従本能を発達させるものなので、飼い主だけでなく、家族全員で行うことが大切です。
犬にとっても不安や欲求不満から開放されることになります。年齡が進むほど時間もかかりますが、成犬からでもしつけることはできますから、根気強く身につけさせましょう。
リードの役割と種類
しつけやトレーニングに欠かすことができないリード。
リードは犬をつないでおくための単なるひもではありません。
犬に意思を伝えるために、人の手の役割を担うものであります。
犬はリードから伝わってくる力の強弱、ゆるみなどから飼い主の意思を読み取ったりもします。
ナイロン製、布製
トレーニング、散歩に向き、最も手に入りやすく馴染がある素材で1番ベーシックなリードです。
革製
トレーニング、散歩に向きますが犬のつなぎ用に使うとかみ切られてしま場合もあるので、噛み癖のある子や、引っ張り癖が強い子、ドッグパーキングなどにつなぐ場合は革製を避ける。
金属製(チェーン)
重く、操作しにくいので訓練には向かないが、犬のつなぎ用にはよく丈夫。
主に外飼いでつないでおく時や、引っ張る力が強い犬に利用する。
リード、首輪一体型
犬の被毛を金具で傷めることがないので、長毛種の犬におすすめです。
また、ケガやシニア犬で足腰が弱ってきた時にも、転倒防止に広めの面積で保護されたハーネスだと安心。
長さを調節できるリード
「マテ」「コイ」の訓練に便利で、一緒に走って遊んだり、広い公園等でボールを投げて持ってくる遊びなどをする時に逃走する心配が少ないです。
ただし、周りをよく見て使わないと事故になる危険性も高く、常に伸縮した状態で使わずに、ある程度の長さでロックしておこう。
楽しくオペラントトレーニングしよう

叱ってばかりの訓練では犬は萎縮してしまいます。
訓練は犬にとって楽しいものでなければなりません。
その一つの方法として、おやつを使った訓練があります。いい行動をした時に、嬉しい事(おやつや褒められること)がある、という犬にとっても分かりやすくご家庭でも行いやすいトレーニング法です。
これはオペラント技法といい、ごほうびを与えながら訓練する方法です。
犬はおやつを持っている飼い主に集中しますから、理解力も高まります。
もちろん、犬が言うことを聞いたときに与えるだけではなく、十分にほめてあげることも忘れずに行うのが最も大事です。
犬に「いう事を聞くといいことがある」と理解させ、積極的によい行動をとるようにさせることです。おやつを食べられる喜びと触られる喜びとを同時に与えることによって、最初はおやつ目当てでも、そのうちに褒めるだけで言うことを聞くようになっていきます。
オペラント技法で訓練しよう

オペラント技法とは、ごほうびを与えることによって自主的に犬の行動意欲をおこさせる訓練方法。
ごぼうびは犬が好んで食べるものを少量ずつ与えます。やり方は次のとおりです。
- 手に持ったおやつを犬に見せ、匂いをかがせる
- 犬がおやつを非常に欲しがった時点で、少しだけ与える。その時に名前を呼んで反応がある時にあげるのがベスト。
- 犬がもっと欲しがったところで、犬の注意力を人に集中させ、基本的なトレーニングを開始する
少しずつ名前に反応するようになってきたら、身体の向きを変えながら呼び戻しの練習もしてみましょう!
「オスワリ」を教える

「オスワリ」は、服従訓練の中でもっとも基本であり、かつ今後にも役立ちたいへん重要なものですから、しっかり教えましょう。
トレーニングを繰り返すと、犬は条件反射的に「座ればおやつがもらえる」と思うようになります。
そして徐々におやつを与えるタイミングを遅らせ、声の合図だけで座るようにさせます。できなくてもあせらずに根気よく行いましょう。
「オスワリ」のトレーニング
- 左手にリード、右手におやつを持ち、犬と向かい合う
- 手の中のおやつを見せ、その手を犬の顔の上に近づける。犬が座ろうとする瞬間に「オスワリ」と声をかける。
- 犬が座ったら、ほめながらおやつを与える
- 何度か繰り返し、座るようになったら、おやつを与えるタイミングを遅らせていく。
◎ 犬が座らないときは、もう一度はじめからやり直す。犬のお尻を無理やり押さずに、丸め込むように補助する
◎「オスワリ」と言うタイミングを外さず、座る前に言わない。
◎「オスワリ」と声をかけるのは一度だけ
「フセ」を教える

犬を伏せさせることは犬の服従心を高めるためにたいへん有効です。
できるようになったら、立った状態からのフセ、歩いているときのフセも教えましょう。
「フセ」のトレーニングその①
- 犬を座らせ、手の中のえさを見せる
- その手を地面につくまで下にさげ、犬がフセの状態になったらおやつを与えて褒める
- できるようになったら、フセの動作に入ったとき
「フセ」と声をかけるその②
- 座らせた犬の前に片足を出してトンネルをつくる
- 手のおやつを犬の鼻先で見せ、その手を追わせながら足の下をくぐらせる
- フセの体勢ができたら褒めながらおやつを与える
◎ フセの体勢ができるようになってから「フセ」と声をかける
◎ お尻があがる分には軽く腕でバーを作っても良いが体を押さえつけたりせず、根気よく行う
「マテ」を教える

飼い主の許しがでるまで、動かずに待つ「マテ」を教えます。
これを覚えさせれば、人に飛びつこうとするのを止めたり、犬が危険なところに近づこうとしても止められるので、安全のためにもぜひ習得させたいしつけの代表格です。
トレーニングにはリードを使い、徐々に犬との距離、おやつを与える間隔左のばしていきましょう。
待っていたらいいことがあると思わせることができればマスターできるでしょう。
あせらず、気長に教えてください。
まずは目の前のおやつに飛びつかないマテを教えるところから頑張ってみましょう
「マテ」のトレーニング
- 犬をオスワリの姿勢にさせる
- 犬が動こうとしたら、1度戻ってオスワリの体勢にさせ、形をキープする。これを繰り返す
- 次にスワレの姿勢を保ち、1、2歩下がる。また犬が動く寸前に犬に近づき、オヤツを与える。これを繰り返す待てるようになったら「マテ」の声をかける
- 徐々に犬との距離、おやつを与える間隔をのばす
◎ 待てるようになってから「マテ」の声をかける手のひらを犬の目の前に押し出すような視符(ジェスチャー)をつけてもよい
◎ 犬が動いてしまってやり直すときは、もう一度もとの位置からはじめる
「おいで」を教える

いつ、どんなときにでも、飼い主に呼ばれたら、すぐに飛んでくるようにしておきましょう。
犬は服従していない人に呼ばれても行きません。
オイデができれば、ロングリードやノーリードがOKな敷地内にいても安心して離れることができ、主従関係を強化させるためにも有効です。
はじめはリードを使って行い、トレーニングを繰り返しながら距離をのばし、最終的には「オイデ」という声だけで犬がくるようにします。
不意に隠れて、ゲーム感覚で飼い主さんを探し、オイデで来させるとより喜んで来てくれるようになります。
「おいで」のトレーニング
- 向かい合って、「オスワリ」「マテ」をさせる
- おやつを見せ、「おいで」と呼びながら犬から2、3歩下がる
- 犬がついてきたら座らせて、おやつを与えてほめる。これを繰り返す
- 長いリードなどを使い、徐々に距離をのばす。できるようになったら、リードを使わず行う
◎ できない場合は犬焦らずオスワリ、フセの時間を長くできるように強化しよう。次第に長い時間をマテに置き換える
◎ 完全にできるようになるまでリードを放さない
トイレのしつけ
トイレのしつけは初日から
トイレのしつけは、子犬を迎えた日からはじめます。
ですからあらかじめトイレの用意をして、場所を決めておきます。
トイレのしつけは、放し飼いにしていると難しいため、必ずハウスやサークルを用意します。
ハウスから犬を出してトイレで排泄させるという習慣をつけたり、寝起き、食事後などにトイレに連れていくとよいでしょう。
トイレの作り方と置き場所
トイレは、市販のトイレ用トレーなどにペットシーツまたは新聞紙を敷きます。
初めのうちはトイレをサークルなどで囲み、寝場所のそばに置きます。
粗相をして床が汚れたり、匂いますから、周囲にはビニールのシートや新聞紙を敷いてシーツの補助をしたり、消臭剤を用意しておくと匂いも抑えられます。
トイレは覚えるまでは移動してはいけません。
ペットシーツにする、とさえ覚えてしまえれば後から場所をかえることも可能です。
その際は洗面所のそばやトイレの近くなどにするとよいでしょう。
排泄後はティッシュでとれる便は取り、少量の尿ならそのままでもかまいませんが、犬はきれい好きで汚れたところではなかなかしたがらないので、できるだけ新しいシーツに取りかえよす。
もしも、別の場所で排泄してしまっても、決してしからずに無視して片付けます。
そのかわり正しいところでしたときは、十分に褒めるということを繰り返していくと、トイレのしつけができてきます。怒ると余計に隠れてするようになることもあるので、あせらず、気長に覚えさせましょう。
粗相をしたときは
すぐに糞尿を始末して匂いを完全に消し去ることが大切。
匂いが少しでも残っているとそこでしてしまうことがあります。
トレーニング中は失敗しても叱らない事。
子犬はなぜしかられているのかわからないので、無視して素早く片づけます。
粗相をしたら・・・
まずよく拭きとる。犬を無視して、粗相すれば構ってもらえると勘違いすることもあるので、あまり犬に見られないほうがよいです。
次に市販の消臭剤や、消毒剤、お酢などを使ってなるべくにおいを消しましょう。
決して叱らず、フリーにさせると部屋全体がトイレをしてもいい場所と勘違いしてしまうので、そうなる前に範囲を狭め、トイレが完璧になったらフリーにさせましょう。
ハウスとトイレのしつけ

ハウスから出したらまずトイレ、トイレをすませ犬のようすを見ていられるときは、自由にし目を離すのであればまたハウスとトイレを結びつけ、粗相をしないような排泄管理をすることがポイントです。
成犬になると排泄は1日1、2回になります。
排泄を散步のときに済ませることはやめましょう。
散歩に行かないと排泄できない犬になってしまいます。トイレですませてから散歩に行くことを習慣づけてください。
また、散歩時に外で排泄する場合に備え、ビニール袋とティッシュを持参し、便を持ち帰るのがマナーです。
子犬の排泄のタイミング
子犬のうちは排泄が頻繁なので2,3時間おきを目安にトイレへ連れて行く。
また、床の匂いをかいだり、ソワソワしたときもトイレへ
★ 目が覚めた後
★ 遊びはじめや動き出したとき
★ 食事の後
★ 水を飲んだ後
トイレのしつけ方
- 犬をハウスから出し、トイレに連れて行き、トイレからしばらく出さないようにする
- 排泄しはじめたら、やさしく声をかける。それまでは、「トイレ」、「チーチー」や「シーシ」「ワンツー」などトイレの合図にしたい掛け声を静かにかけ続ける。むきになると出さなくなってしまうので、排泄を催したのが分かったら言うようにする
- 排泄したあとは、なでなくほめる
- これをしばらく続けていき、習慣をつけてから、今度はトイレに出したときに「トイレ」などと声をかける
◎ 「ここで排泄すると飼い主がとても喜ぶ」とわからせる
◎ ハウスから出たらトイレという習慣をつける
◎ 行動を習慣づけてからサインとなる言葉(トイレなど)をあとから教える
食事のしつけ食事のさせ方
かわいい愛犬がごはんを欲しがったら、「いくらでもあげる」という気持ちになって、おかわりやおやつを与えてしまいがちです。
また、室内犬の場合、「一口だけならいいか」と人間の食べ物を与えてしまう傾向にあるようです。
しかし、食事は犬の健康に直接影響を与えます。
そして一度貰い癖がつくと、貰えるまでしつこくまとわりついたり、お皿から勝手に取って食べたりもします。
不健康で行儀の悪い犬にしないためにもしっかりケジメをつけましょう。
犬の食事は飼い主がきちんと管理し犬にマナーを身につけさせましょう。
犬の食事の基本のルール
1. 専用の食器で食べさせる
犬専用の食器を用意し、毎回同じ食器で食事を与える。
水飲み用と食事用の食器を用意する
2. 適量を与える。
食事は犬種や年齢によって、それぞれ適当な量があるので、ドッグフードのパッケージに記載されている量を目安に与える。
3. 偏食をさせない
与えたものを食べないからといって、好きなものばかりを与えたり、別のえさを与えたりしない。
また、人間の食べ物を与えない
4. 遊び食いをさせない
食事の途中でどこかへ行ったり、食べたり遊んだりするときは、食器を片づける。時間内に食べることを教える
犬の食事のしつけと主従関係
食事のしつけは服従訓練にたいへん有効です。
目の前のご飯を食べたい欲求を抑え、飼い主のOKが出るまで食べないことで、人のGOサインがあるまでは勝手に動かない、従順な主従関係を認識させるために効果があります。
そして食事を与える前にオスワリ、マテをさせ、飼い主の許可がないと食べられないということができるようになれば、食事を持っていくだけで、座るでしょう。
食事中は食べることに専念させます。じゃまをしたり、何かを命じたりしないようにしてください。
また、犬に催促されてから与えてしまうと権勢欲が出てしまいますので、その際は少し待たせたりトリックを行い、人のペースに戻してから与えましょう。
食事のしつけ
食事の前の訓練として、「おすわり」「まて」「よし」で与えましょう。
- 食事をもって犬の前に立ち、おすわりと合図を出す。
- 犬が座ったら、食事を犬の前に置く
- マテを命じてしばらく我慢させる。できないときは食器を下げてやり直す。
- 待てるようになったら、良しと声をかけて食べる許可を与えます
ハウスのしつけ

室内犬でもハウスは用意する
ハウスに入れることを「犬を閉じ込めているようでかわいそう」と思うのは間違いです。
ハウスは犬にとって快適で安心できる自分だけの場所となるものです。
また、室内犬を家の中で放し飼いにすることはしつけにおいてもよくありません。
ですから放し飼いはやめて、扉のあるハウス(犬舎)を必ず用意し、入り方をしつけておきましょう。
ハウスにはすぐに慣れはすから、放し飼いをしている場合でも大丈夫です。
ハウスのしつけは大切ハウスのしつけをしっかりしておくと、どこかに出かけるときにもいっしょに連れて行く(ケージやキャリーケースなどに入れて)ことができ、車に乗せるときや入院させるとき、ペットホテルに預けるとき、来客や留守番をさせるときに安心してできます。
犬にとっても慣れさせておけば、余計なストレスをかけることもなく、休息になります。
また、巣(ハウス)を中心に行動し、巣から離れたところで排泄するという習性を利用し、トイレのしつけをスムーズに行うこともできます。
ハウスは、家の中に誰かがいても、忙しくて犬に目がとどかないときは、入れておく習慣にするとよいでしょう。
もちろん夜寝るときにも入れます。
犬はハウスが安全な場所だとわかると、ひと眠りしに入ったり、掃除機をかけていたり、子どもが駆け回っていたりするときなど、避難したいときに自ら入っていくようになります。
「ハウス」を教える
ハウスに入るときはよくほめて、ごほうびのおやつを与えます。
ハウスは快適で安心できる場所にしてあげなければけませんから、悪いことをしたおしおきに入れるということはぜったいに避けてください。
ハウスの中でうるさく吠えても、すぐに出さないこと。
出すと、ほえれぱ構ってもらえると思ってしまいます。
その際は「ダメ」などとしかり、無視して、落ち着いて静かにできたときにハウスから出します。
「ハウス」のトレーニング
- ハウスにおやつを入れ、「ハウス」と命じて犬を中に誘導する
- 入口におやつを置き、犬が外に出ようとするたびに与える
- 中で待てるようになったら扉を閉める
犬にハウスの中に入ればいいことがあると思わせよう。
犬にとっての最適ハウス
ハウスの広さは、犬の体がすっぽり収まり横たわったり、向きを変えたりできれば十分です。それくらいがいちばん安心できます。
犬にとって広いハウスは落ち着かず、入るのを嫌がることも。
ハウスはドアのついているもので、ケージや運搬用犬舎でもOKです。
ここで注意したいのが、ハウスとサークルを混合している人がいますが、まったくの別物です。
サークルをそれほどに狭くすると犬のストレスとなってしまうので、ハウスの大きさだということに注意しよう。

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