動物業界で働く私達には当たり前でも、パッと言われて略称や総称で判断している物が別名(正式名)だったりと分からない単語が良く出てきますよね。
Cliffが運営する犬の幼稚園でも、持ち物にお願いするキャリーハウスについて、いつもご説明を添えています。
業界の方であれば、クレート型かな?とすぐ憶測できるのですが、特に初めて犬を飼う方だと人が使うキャリーケースのこと??となってしまいますよね。
ここまででの説明でも、何点か専門用語が出てきて、どんなものか想像できない方もいらっしゃるかと思います。
写真を添えて、上記に出てきた用語も含めてよく使用する犬用品についてご紹介します!
▼ 目次
犬の首輪・リード
カラー
一般的に、首輪の総称のこと、もしくはプレミアカラーのことを言います。
動物病院など看護系ではカラー=エリザベスカラーのことをいう場合もあります。

お家にいる時は着用しないわんこも増えていますが、普段から着けておかないと脱走や天災などで離れ離れになった時に困ることに。抱っこしている時の転落防止にも活用できますよ。

一緒に鑑札や連絡先もつけておくともっと安心だね!
エリザベスカラー/エリザベ
エリザベスカラーのこと。16世紀イギリス時代の衣服に用いられたエリザベス1世の襟巻(襞襟)からこの呼称が来ています。
名前や見た目からそのままで分かりやすいですね(笑)
犬・猫などの小動物が、ケガや手術をした場合に、傷口を舐めないよう保護するために首回りに巻くもの。
通常は動物病院で貸し出される場合が多いですが、大きなペットショップやネット等でも販売しています。
昔はプラスチック製の物がほぼ占めましたが、現在はポンプ式でコンパクトにできるものや、デザインに凝ったものも販売されています。
また、近年ではエリザベスカラーをDIY(自作)することもちょっとしたブームに。
検索すると、作り方がたくさん出てきます。自作する場合にはきちんと外れにくいよう、または割れてケガしないように、素材選びにも気を付けて制作しましょう。
プレミアカラー
家庭犬(一般的なわんちゃん)でしつけのプロがおススメする代表的な首輪です。
上が小さい輪っかで8の字のようになっており、小さい輪っか分だけ普段はゆったりと着けることができ、急に犬が飛び出した時などは、リードと連動しているのでキュッと狭まり、首輪の抜け防止に。
なので、調節の仕方は小さい輪が狭まった時に、犬との間の隙間が指一本分くらい空いていること。
ここの調節を間違うと、いざという時に犬の首を圧迫させてしまい、危険です。
お散歩中に止まってしまいがちな子には特にお勧めです。
ジュエントルリーダー/ジェントル
マズル(口から鼻にかけて)のトップにかかるように1本、耳の後ろに通るように1本、Yの字になるように通して使います。
これらは馬の手綱と同じような役目を果たし、犬がもし引っ張って先々に行こうとしても、鼻先にリードが繋がっているので、先に行ってしまうと自然と顔が人の方へ向き、飛び出しを阻止します。
しかも、引っ張り癖がある子は通常の首輪だと首が苦しくなってしまいますが、ジェントルリーダーにはその心配がありません。
やんちゃな子に向いている一方で、鼻周りに通したりと犬にとっては不愉快で、購入してもまずは慣れることから始めなければならないことも。
また、マズルが短い犬種(ブルドッグ、ボストンテリアなど)には引っかかる部分がないため使用できません。
イージーウォークハーネス/イージー
イージーウォークハーネスは、その名の通りハーネスに近い感覚で着用できます。
胸部、前足の脇を通るようにY字に装着し、リードは胸部のところにひっかけます。
また、イージーウォークハーネスは、ジェントルリーダーに似た効果がありますが、ジェントルには引っ張り癖の他、飛びつきや吠えの防止も期待できるのに対し、イージーは着けやすさの代わりにその効果はあまり見られません。
しかし、ペチャ鼻犬にも使え、体格や年齢等にもほぼ制約がなく色んな子に使える子が利点です。
マズル周りに比べて、犬にかかる負担が少ないのでお散歩を嫌がることも少ないでしょう。
スパイクチェーン/スパイク
スパイクチェーンは、内側に引っかかりが出来るように突起がある、主に警察犬、または順ずる使役犬(働く犬)、その犬種にしかほとんど使われません。
ショックを用いる訓練法であり、緊張感を持つ場で働く犬にとっては有効なチェーンです。おやつに惑わされたり、犯人のいう事を聞いてしまうような犬にならないためのものです。
見た目のカッコよさで着用してしまうのは絶対にいけません!
警察犬のトレーニング中にスパイクチェーンに指を巻き込まれ出血した事故や、犬自身もスパイクチェーンの使い方であるショックが下手ですと、ただ苦しかったりケガを負うだけになってしまいます。
プロや指導者に使い方を教わった方のみ、使用することが望ましいでしょう。
一般的なご家庭のわんちゃんで使うことはまずありません。カッコよさを求めるのであれば、せめてチョークチェーンにしましょう。
チョークチェーン/チョーク、ハーフチョーク/ハーフ
プロが推奨しているプレミアカラーとの共通点は、引っ張ると輪っかが絞られるところです。
ショック法を用いるトレーニングには1番効果的で、犬にキビキビとした動きを求める方は使用していることもあります。
ただ、プレミアカラーとの相違点は、引っ張られる分だけどんどん首が締まってしまいます。
Pの字になるように引っ掛け、普段はどの首輪よりもゆったりとすることができるのですが、絞るストッパーをかけることができません。自力でコントロールしなくてはならないのがこのチョークの難しいところです。
そのため、引っ張る子には絶対使用してはなりません。引っ張り癖のトレーニング法を熟知している方なら使用していても対応できますが、知らない人はハーフチョークチェーンを使用しましょう。
こちらのハーフチョークは、ほとんどプレミアカラーと同じ性能です。
普段はゆとりがあり、引っ張りなどがあった場合に絞られる構造になっています。どれだけ引っ張っても一定のところで止まるので、チョークチェーンのように締まり続ける心配はありません。
ただ、チェーンの輪っかに毛が絡まってしまうこともあるので、長毛種には向いていません。
ハウス
一概に、ハウスと言ってもベッドタイプのハウスなのか、持ち運べるのか、そうでないのか、どんな素材・形状なのか、用途がそれぞれ異なります。
本当のお家のような木製の物、お菓子の家のようなもの、などハウス=寝床、という印象です。
まず最初に一目ぼれして買いたくなるのがベッド兼タイプでデザインが可愛い上記のようなハウスだと思いますが、動物病院での診察やお出かけ先の車移動など後々必要になってくるのは運べるタイプのハウスになるので、1番はじめに購入するハウスはこのタイプがおすすめです。
子犬の頃は粗相をしてしまいがちなので、ふき取りやすさとしても、プラスチックで頑丈な物か、もしくはゲージタイプのものだと噛み癖があっても誤飲の心配がありません。

トイレトレーニングが出来るようになってからでも
可愛いベッド選びは遅くないですよ♪

可愛いから、できるだけ汚したくないもんね!
キャリーハウス
キャンピングキャリーと呼ばれることもあります。
作りが布製の物よりも頑丈で、犬が中にいて移動しても安定して過ごせます。
また、外からの衝撃にも強いので他の犬が乗っかかった時や、災害の時にも上から押しつぶされる危険が少ないです。
上下に分けられるものが多く、お手入れも簡単なのが魅力。
その名の通りキャンプにお出かけを想定して少し移動が長くなってしまっても、入り口に給水機を付けることも可能で、シートベルトを引っ掛けられるタイプも多いです。
根強い人気があり、ペットショップ等でもおススメされやすい形のハウスです。
バリケン/バリケンネル
アメリカ社の商品名になりますが、特に訓練所等で長く愛用されているクレートです。
特に中型~超大型犬の力が強い犬種に人気で、作りはキャンピングキャリーに似ていますが、上下の弱くなりがちな境目が強く固定されています。そのため、中で暴れたりしても、外からの衝撃でも外れにくくなっています。
また、大型種が入るサイズともなると、ハウスだけでも重量があるので、キャスター(コロコロ)がついていたり、キャリーケースのように取ってがついて転がせるものもあります。
クレート
クレートは、ハウスのような総称です。
ハウス=寝床のとても大きな分類に対し、クレートはシンプルな箱型のハウス、という印象です。
以前はプラスチック製の物が主流でしたが、数年前から折り畳めて場所を取らず、軽量なソフトクレートがじわじわと人気を伸ばしています。
ソフトクレートの中には、支柱がしっかりあるもの、ないものがありますので、使いたい環境によってどちらか選びましょう。
ケージ
ケージは、格子上の箱タイプのハウスです。
サークルをコンパクトにハウス型にしたような形で、持ち運びもOK。
底はトレイになっていることが多く、排泄をした時にもさっとトレイをふき取るだけでお掃除完了♪
格子状になっているので通気性がよく、温度調節が苦手な鼻ペチャ犬や、力の強い子に適しています。
格子状のため入口の段差で足が隙間に引っかかってしまうこともあるので、足腰の弱い子には違うタイプを選びましょう。
また、ハウストレーニングもどこからでもおやつを入れやすく、サークルに似ているため横に置いても違和感がなく使えます。大き目のケージを購入して、サークル替わりにしている方もいらっしゃいます。
横から、正面からと2WAYで扉を使えるものもあります。
スリング
布製の斜め掛けバッグです。デザインも幅広くイベント等でよくみかけます。
小さく折り畳めることが出来るものが人気で、ちょっとしたペットフェスなどや地面が熱い時にも大活躍!
ご家族様と体を密着することができるので、安心感があります。
しかし、密着度が高い分安定はしませんので、犬が嫌がることも。
また、縦抱きになりやすく、ヘルニアになりやすい犬種は避ける方がベターでしょう。
サークル
ハウスとはまた違いますが、犬が過ごす場所としてサークルを。
サークルは、犬が安心して過ごせる場所に。部屋全体を犬がフリーでいつでも過ごせるようになっていると、部屋中におしっこをしてマーキングをしたり、事故をする確率も高くなります。
お留守番、夜の間はサークル内で過ごすとよいでしょう。
ケージタイプの格子上の物が主流ですが、木製、アルミ製、布製のソフトサークルもあります。
それぞれ利点が違い、掃除のしやすさは格子状、アルミ製、犬が落ち着くのは木製、収納や移動もしやすいのは布製です。
最近はトイレのスペースと寝床のスペースを分けられるようになっているものも多いです。
また、ベビーサークルを使っている人もいます。ジャンプして脱出を図る犬もいますので、屋根付きの物を選ぶか足をひっかけられないタイプのものにしましょう。
時折自作している人もいますが、壁が中に倒れてきたり、折れる可能性もありますので、あまりお勧めしません。
ゲート
犬専用のペットゲートもありますが、ベビーゲートで代用することも可能です。
キッチンや、階段など行ってほしくない場所をガードすることができます。
またぐタイプの物もありますが、出来れば高さがあり、扉が開閉式の物の方がガードしやすいでしょう。
置くだけのタイプ、または突っ張るタイプとだいだい2種類です。
置くだけの物は設置も簡単で、必要な時にすぐ動かすこともできますが、コの字型になっているものが多く、見栄えはあまりスマートではありません。
対し、突っ張る物は入り口サイズにフラットに設置が可能です。激しく犬がゲートを押すと壁が削れることもあります。
犬の性格や、お部屋の環境によって選びましょう。
トリミング
犬の健康維持に必ず行うのが、トリミング。
ブラッシングだけで済む犬種もいれば、カットをしないと毛が地面についてしまったり、前が見えにくくなる子も。また、足裏は特に伸びやすく、滑って転倒する危険も。
爪切りも前足にある狼そう部分(親指付け根)のもう1本の爪を切り忘れると、伸び続けて皮膚を突き刺すことも。
ブラッシングは毛並みを整えるだけでなく血流をよくしたり、ほこりや汚れを落とし清潔に保つ役目もあります。
シャンプーは頻度が多すぎると逆に皮膚炎などを引き起こしてしまう原因にも。
サマーカットも地肌が見えすぎると皮膚がんなども起こりうるので、ほどほどにしましょう。

ブラッシングを怠ると、もつれができ炎症を起こすことも。

見栄えも悪いし、無理に取ると痛いよ!日頃からこまめにしてね♪
スリッカー
プロが使うことの多いスリッカー。
長方形型の台座にへの字の針金が無数に刺さっており、引っ掛けて毛を取り除きます。
力加減を誤ると、犬にガリガリと傷をつけてしまいますので、取り扱いには注意が必要です。
一般用に先に保護するゴムが付いているものもありますので、不安な方はそちらを購入しましょう。
もつれがある犬や、さっと広範囲に出来るのでトリマーさんが使っているのを見たことがある方も多いのでは?
持ち方は、お箸を持つような感覚で、力はスリッカーの重さに任せて流すイメージです。
中長毛種用のブラシです。
コーム
顔周りや耳など細かな場所に向いているのがコーム。
ほとんどステンレス製で、使い終わった後に消毒スプレーを吹きかけて毎回清潔に使うこともできます。
犬用のクシで、粗い目と細かい目がついています。ノミ取り専用のコームもあります。
ピンポイントのもつれを取る時にも活躍し、またカットする時の毛並みを揃える時、他のブラシについた毛を取り除く時にも便利♪
短毛種でなければ1本は所持していたい櫛です。
ピンブラシ
ピンブラシは、一般の方でも使いやすい、櫛先にクッションがついたブラシです。
ピンの間隔は粗めのものが多いので、もつれがある時や細かく梳きたい時には向きませんが、毎日のブラッシングの時にはおススメです。
最近は艶出し効果のある獣毛ブラシと表裏一体で販売されていることもあります。
ラバー
ラバーブラシは、短毛種に用いることが多いブラシです。
いくつもの突起がマッサージをしながら毛を梳いてくれます。
ひし形、箱型、軍手タイプのものや引っ掛けるタイプなど形状も多様化しています。
マッサージ効果が他のブラシに比べて高くて傷を作りにくく安心なので、短毛種以外の子にも使っても、とても気持ちよさそうな顔をします。
犬のしつけ用品
犬のしつけは、ご褒美があればできますが、そのご褒美の代用品や、お留守番などにも活躍するグッズ達。
日々お留守番中に吠え続けてしまい、ご家族様も気が気でなくなり、ノイローゼになってしまったり、周りからのクレームで引っ越しを要請されるなどのトラブルにも発展することもあります。
特にお留守番が苦手な子は、1人でも楽しめるようなオモチャをたくさん用意してあげましょう。

お留守番中、遊べるものや退屈しのぎがないと
イタズラに発展することもしばしば。

ヒマなのは嫌~!!何時間も何もないのは辛いよ~
クリッカー
クリッカーは、ボタンを押すとカチッと音が鳴るアイテムです。
特に色んな人がトレーニング場合に、褒めの度合いや合図のタイミングが違ったり、犬は混乱してしまいます。
統一性があり、おやつ等に惑わされないトレーニングができるので、働く犬の訓練にも使用されることも多いです。
クリッカーの音=ご褒美、と覚えさせるのが大変であったり、多頭飼いにはどちらかが悪いことをしていて、もう1頭がいいことをしている、そのような場合にタイミングを分けられない点があげられます。
コング
コングは、1頭につき1つ持っておきたい便利アイテムです。
中が空洞になっており、その中にフードやおやつを入れ、お留守番中にあげると中身を出そうと夢中になって暇つぶしにもなります。
フードをふやかしてあげるか、ペースト状のものを入れるとより長持ちします。
また、コロネ状になっているので、ボールとして活用した時にもあちこちに跳ねるので、犬も退屈しません。
噛みやすいようにゴムになっているのもポイント。コング=イイコトだと思うと、中身を入れなくてもずっと噛み噛みして楽しむようになることもあります。
形状も最近はおやつを取り出すのを特化し、可愛い形のものや、ロープがついたもの、コングの類似品もたくさんあります。
ツイスト
ツイストは、上下の円盤型の間におやつやフードを大量に入れられるコングの進化版。
コングはやや洗いくいのが難点ですが、ツイストは捻じって上下に分けられるので、比較的洗いやすい構造になっています。
また、転がりが不規則になるので犬が器用に鼻や手足を使って出そうとするので、脳の活性化にも最適。
隙間を調整すれば、たくさんフードを入れられるのに中々出ることがなく長時間もちます。
ただ、難しくしすぎると犬は諦めて遊ばなくなってしまうので、初めは大きく隙間をあけておやつが出てくることを教えてあげよう。