しつけの重要性とは

犬のいる暮らしは楽しいものです。特に人といっしょにいる時間が多い室内犬は、いろいろなしぐさや表情で家族の心を和ませてくれるでしょう。
ただし、きちんとしたしつけができてこそ、快適な共同生活が成立します。
最近多い犬の問題行動も、じつは基本的なしつけができていなかったことが原因となる場合が多いのです。
しつけ正しく育てられた子どもが社会的に他人に迷惑をかけないように、犬のしつけは、人間社会の中で犬と人が楽しく共存していくために行うものです。犬もしつけしだいで誰からも好かれる犬になることができるのです。
「犬を飼ってよかった」と心から思えるためには、正しいしつけが大事ということを覚えておきましょう。
まずは犬の本能を理解しよう

犬を正しくしつけるためには、まず犬の習性や本能を理解する必要があります。
オオカミ時代から受け継がれた犬の本能の中で、人との共存生活に大きく関係するのが社会的本能です。
社会的本能はさらに8つに細かく分類されますが、そのうち、しつけをするときによく理解しなければならないものが、群棲本能、服従本能、権勢本能の3つです。
群れをなして生活しているオオカミの社会には必ずリーダーが存在し、リーダーを頂点とする縦社会を築いていきます。(群棲本能)
この血を受け継いでいる犬は、群の中でいつも自分の順位を意識し、強い物には服従し(服従本能)、弱い者には権力をふるう(権勢本能)という行動が身についています。
ですから、飼い主の家族も犬にとっては群れと同じです。
自分はそのどこに位置するか、どのリーダーにつくかを見定め毎日の行動の中で判断していくのです。
そういう状況の中で飼い主が犬の好きなようにさせておけば、いつしか自分がリーダーだと思い込んでしまうのです。そして群れの統制を取るために、リーダーシップをとろうとして問題行動が現れることも。
こうならないためには、飼い主は常に威厳のある態度で、犬の服従本能をうまく引き出していきましょう。
犬のしつけのタブー
★ 犬にべったりする
★ 気まぐれな対応をする
★ 暴力をふるう
★ ヒステリックになる
★ 力ずくで従わせようとする
しつけのしやすい犬になるためのコツ
1. 毎日必ずふれあう時間
しつけは犬の体にふれながら行うことが多い。お互いの信頼関係も深まる。
2. 子犬のころからいろいろなものに慣れさせる
人やほかの動物、車、雑踏、音などいろいろなものを見聞きすることで、順応性の高い犬になる
3. ボールなどを使った遊びをする
遊びの中にポールなどおもちゃを使ったものを組み込んでおくと、犬の集中力が養われ親和性が高まる
飼い主がリーダーになる

しつけを行ううえでいちばん大事なことは、犬に信頼関係をきちんと認識させることです。
そのためには飼い主が強いリーダーシッブを発揮し、犬に尊敬される存在になることです。
気分しだいで対応を変えたり、その場 かぎりのしつけをしたり、甘やかした対を続けていると、権勢本能が目覚め、言うことを聞かなくなってしまいます。
とはいえ、食事や行動などふだんの生活は人に依存していますから、思うようにならないことでストレスがたまり、ほえたりかみついたりするような問題行動に発展する場合が少なくありません。
こうなると犬と人間が共存生活を続けていくことは困難です。
犬と人間が幸せに暮らすために、飼い主のリーダーシップは欠かせないものです。
ただ、間違ってならないのは、あくまでリーダーであること。BOSSではありません。
群れの中の一員で、代表にしかすぎません。犬は何でも言う事を聞く奴隷やロボットではありません。そこを履き違えないようにしましょう。
犬のしつけの考え方

犬のしつけも人間のしつけも基本は同じです。
いけないことはいけない、「マテ」と言ったら待つというように、ある行動を制御することでルールを身に着けさせていくものです。
「かわいそうだから」「かわいいから」という理由で何も制御せずに犬を飼育していれば、たちまちワガママな犬になってしまいます。
実はこの「かわいそう」や「かわいい」は飼い主のひとりよがりで、勝手に犬を擬人化しているだけにすぎません。
たとえば、長い間犬に「マテ」をさせておくことを「かわいそう」と思う人もいるかもしれませんが、きちんとし
つけがされており、仕事(しつけ)をすると褒めてもらうことが理解できていれば問題ありません。
信頼できる飼い主(リーダー)に従っているので、むしろ仕事を任され満足しているのです。
仕事をしないとどんどん気が緩んでしまったり、リーダーと認識しなくなりフラットすぎる関係になり、いつしか問題犬へ逆戻りしてしまうことも。犬はその都度、環境に順応し対応も変わるものです。この順応性があるからこそ、トレーニングすることも出来ます。
このように、犬の気持ちを無視した擬人化は、犬にとってマイナスになる場合もあるのです。
しつけを成功させるためには、犬を擬人化せず、上手に制御することができるようになれば、マナーをわきまえた
犬になることができます。
飼い主の心構え

しつけは想像以上に根気がいるものです。
失敗をするたびに同じことを繰り返し教え、だんだんにそれを身につけさせていきます。ですから、見様見真似でネットで検索したり、本を読んで自己流でしてみても、タイミング1つ違えば失敗になってしまい、そのうちにしつけを諦めてしまいます。
しかし、1度身につけたことは、生涯にわたって反映されることでしょう。
きちんとしつけられた犬は誰からも愛されますが、しつけができていない犬は 近所からも疎まれ犬もご家族様も不幸になります。愛犬が幸せな一生を送れるように、真剣に取り組むことが犬と幸せに暮らす第一歩です。
飼い主がリーダーシップをとるためのポイント

1. ふざけてじゃれさせない
衣服を引っ張ったり、じゃれついて軽くかむなどの行為は、相手を支配したり、兄弟犬と遊ぶ延長の本能なので、すぐにやめさせる。噛まれても怒らず何も反応しない方が子犬には効果が大きいことも。
2. 犬にリーダー意識を与えない
どんな場合でも犬のペースに人間が合わせるのではなく、人のペースで物事を行います。
散歩は常に飼い主がリードし犬に前を歩かせないようにしたり、ドアの出入りも同じです。ご飯やオモチャで遊ぶ時にも犬のペースで始めるのではなく、人が合図をしてから物事を行う習慣を身につけさせましょう。
3. 家族の食事に参加させない
オオカミの社会ではリーダーが食べ終わるまでほかのオオカミは待ちます。
たとえ家族の食事中に犬が欲しがっても与えないのが鉄則です。
あまり知られていない犬が中毒になってしまう食べ物もあるので、知識に不安がある方は絶対にやってはいけません。
犬のしつけをする前の心構え

1. 犬の気持ちを正しく理解する
「かわいそう」や「かわいい」は人間の勝手な判断。犬を擬人化しない
2. 飼い主が常にリーダーになる
リーダーシップを発揮して犬が頼れる存在になる
3. 犬のペースで生活しない
どんな場合も人のペースが優先、原則的に犬はペースに付き合わない
※ 老犬、ケガや病気等の犬は臨機応変に対応しよう
4. 愛情と甘やかしは別
犬の機嫌をとったり、心を鬼にして甘やかした生活をさせないことがイイコになる近道
5. 気分で対応を変えない
気分のムラをおもてに出さず、常に安定した気持ちで犬に接する。犬が不安になる原因に。
6. ルールをつくって一貫性をもたせる
家族でルールをつくり、それに従ってみんなで同様にしつけましょう。
その人その人で言う事が違うと犬も混乱してしまいます。

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