
犬は1年間で急激に成長
犬の1歳は、人間でいうと17歳ぐらい。犬はたった1年で大人になるので、その間の変化は急激です。
まだ子犬と思って、しつけや健康管理を怠っているとあとで苦労します。この時期にしつかり育てておくと残りの10年以上、とてもよい関係が保たれます。
やっておかなければならないことも多い時期ですが、犬の成長を楽しみながら1年を乗り切りましよう。
▼1歳から8歳の成犬の子は、こちらを参照ください▼
犬の成長のペースを見逃さず、適切な健康管理を。1~8歳の犬との過ごし方
子犬の健康管理と食事について
3か月ぐらいの子犬は、まだまだ体力が十分ではありません。睡眠をしつかりとらせ、体重の変化に応じて食事の量に気を配ります。短期間にグングン成長するので、高カロリーの子犬用フードを与えます。
ミルクを与える場合は、人間用ではなく犬用にしましよう。
また、食事の回数は徐々に減らしていく時期ですが、下痢をするようならまだ1回量が多すぎてうまく消化できないのかもしれないので、あせらず、ゆっくりようすを見ましよう。
体のサイズや健康状態、成長速度にも個体差があります。「生後〇日から食事は2回」と一概に決められるわけではありません。
この時期は、飼い主が冷静に犬のようすを観察し、成長の段階に合わせて徐々に子犬のころから、体のいろいろなとこ対処していくことが大切です。
まだ本格的な散歩はできないので、部屋の中やべランダで日光浴を十分にさせを ます。
また、まだ自分で体温調節がうまくできません。寒い時期には、犬用ヒーターや毛布をハウスに人れたり、エアコンなど安全な暖房器具をつけて、室温は15~20℃ぐらいをキープします。
ハウスを毛布で覆うのもよいでしよう。
スキンシップをたっぷりと
子犬の頃から、身体の色々なところを触って慣らしていくことは、その後、グルーミングやトリミング、動物病院の診察を受けやすくします。
人懐っこい愛らしい性格を形成するためにも、スキンシップは欠かせません。
仰向けにさせてをお腹を撫でたり、口をあけて歯のチェックをしたり、目ヤニをふいてやったりしているうちに、犬もだんだん怖くないことを学んでいきます。
最初は抵抗することもありますが、徐々に慣れていきます。飼い主さんが触ってもされるがままになれば将来も苦労しにくくなります。
慣れてきたら、ブラッシングやつめ切りなどもはじめます。ただし、前足だけを持って抱き上げたり、お腹を強く庄迫するように抑えたりしない事。
また、あまりしつこく抱いたり撫でたりしていると依存心の強い関係になってしまうので注意してください。
なお、人を怖が外に出ていろんな人に触られる機会をもらったり、家に知人を呼んで可愛がってもらうと人なれも早いでしょう。
スキンシップのコツ
1.犬と目線を合わせ、褒めながら触る
手の甲から匂いを嗅いでもらい、首から胸を優しくなで、それができたら後頭部から背中へ。
2.触ってほしいところを触る
下からを意識しながら、背中や脇腹、お尻などを末端にかけるまでを触る
3.徐々に、触ってほしくないところも平気に
耳や口、足先など末端は苦手な犬が多い。しかし、健康チェックのためにも末端を触れるようになっておこう
狂犬病予防接種と混合予防接種
飼い主には、生後90日を過ぎた犬に対して狂犬病予防接種を受け、畜犬登録をする義務があります。
また、狂犬病以外にも、外には危険な感染症のウイルスや細菌がいつばい 。ジステンパーやパルボウイルス感染症など、命にかかわる恐ろしい感染症 もあります。
法的に義務づけられているワクチン接種は人にも感染する狂犬病だけですが、そのほかの感染症を予防するためのワクチン接種もぜひ受けてください。
ワクチンは、複数の感染症を予防する混合ワクチンが一般的です。
3種混合、5種混合、7種混合などがあります。どの種類を接種するかは、地域や生活環境によっても違います。
たとえば、特定の環境下でしか発病しないような感染症もあるからです。いずれしにしても、獣医師とよく相談して決めましょう。
ワクチンを受ける時期は、生後60日と生後90日頃の2回が一般的です。
子犬は生まれたとき、母親から感染症に対する免疫を受け継いでいますが、これが切れる時期がだいたい生後50~90日ぐらいと幅があります。
生後60日でワクチンを接種したとしても、その時点で母親からの免疫が切れていなければ、そのワクチンは無効になります。そこで、8日でもう一度、ワクチンを打つわけです。
また、3回目のワクチンをすすめる場合もあります。これは、子犬が母犬と離れた時期やその地域で最近感染症の発生や流行が見られる場合などにより、獣医師が判断します。ですから、動物病院は自宅から近いところを選ぶとよいでしよう。
生後60日のワクチンは、ペットショップやプリーダーが接種させている場合が多いようですが、必ず確認をとりましょう。接種証明書で日を確認し、獣医師と相談して次の接種日を決めます。
もし、体調が悪いようなら、中止してようすを見るようにします。
生後日の2回目のワクチンが終わったら、外出できますが、ワクチンが完全に効くまでには2~3週間ほどかかります。散歩していい時期については、やはり獣医師さんに相談してください。
ただ、まったく外に出ないと、社会化時期と被っているため、音や犬などにとても敏感になり臆病な困った犬になりやすいです。
地面を歩かせずに、抱っこで数分だけでも外の空気を知っていると、環境への順応力が付きやすいです。
その後は、基本的に1年に1回、混合ワクチンの追加接種を受けることになります。
生後3か月ごろから本格的なしつけを
しつけは子犬の8~16週が大事!
生後3か月頃からは、ハウス、トイレなどの日常のしつけ以外に、様々なトレーニングを始めましょう。
基本的なしつけは、だいたい6か月ぐらいまでにしておきましょう。
もちろん、成犬になってからもしつけは可能ですが、成長すればするほど難しくなっていきます。
3ヶ月~1年の身体と健康
3か月・・・第2回混合ワクチン接種。乳歯から永久歯の生え変わりがはじまる。
4か月・・・獣医師と相談し、本格的な散歩を開始。狂犬病予防接種
5か月・・・先天性の異常があれば現れ始める頃。健康チェックを怠らないようにしよう
6か月・・・永久歯が生えそろう
6か月~1年・・・早くて6か月、遅いと1年以上たってから発情がはじまる。
メスはヒート、オスはマーキング、マウンティングがはじまる。
年齢に応じた接し方を
犬は人間の何倍ものスピードで成長し、老いていきます。
いつまでも赤ちゃん扱いせず、年齢に応じた接し方が必要です。
たとえば、小型犬を抱っこばかりしていれば運動不足になり、甘やかしていれば、我儘な犬になってしまいます。子犬の時期が過ぎたら、運動もしっかりさせ、悪いことをしたらダメだということも教えていかなければなりません。
また、7~8歳ごろから成犬からシニア犬への徐々に移行し始めていきます。無理に外に連れ出したりせず、体調を見ながらいたわってあげましょう。
3~6か月で歯が生え代わる
犬の乳歯は生後3か月頃から抜けはじめ、代わりに永久歯が生えはじめます。
この頃、 いたずら盛りで、家具やスリッパ、クッションなどいろいろなものを齧るかもしれません。
「ダメ」と叱り、代わりにかじってもいい犬用のガムやおもちゃを与えましょう。
目が届かないところでどうしてもいけないものをかんでしまう場合は、犬の嫌いな苦味のあるスプレーをふきつけておくという方法もあります。 スプレーはペットンヨップなどで数種類が市販されています。
なお、乳歯が抜けないうちに永久歯が並んで生えてくる場合があります。ときどき、ロを開けてチェックしてください。放置しておくと、食べ物のカスがたまつたり、かみ合わせが悪くなるので、獣医師さんに相談し、場合によっては抜歯しなくてはなりません。
犬の成長のペースを見逃さず、適切な健康管理を。1~8歳の犬との過ごし方