頼もしいリーダーなり犬を導く

犬が人間社会に適応し、穏やかに幸せな生活を送るためには、飼い主が正しい態度をもって犬を先導していかなければなりません。
そのためにまずマスターしてほしいのが、「リーダーウォーク」「ホールドステイル」「タッチング」の3つです。
これらは、犬の従属性と飼い主への信頼感を育てるための基本的な方法です。
犬が安心して人を信頼するようにするしつけなので、家族全員で行うようにします。
また、これらの方法は基本的なしつけをする前の子犬だけでなく、成犬にも効果があります。
犬がわがままになってきたときや、攻撃的になってきたときなどにも、こうしたしつけを行うとよいでしよう。
いずれにしろ、早いうちからはじめるにこしたことはありません。
飼い主がリーダーとなって、しつけとトレーニングを施すことが重要です。
しつけの原則
1. 楽しく
できたらよくほめる。怒鳴ったり、たたいたりしない。
楽しくないと犬も嫌がって余計にしなくなります
2. 短時間で
集中力がないと、犬も身に付きません。
10~15分を目安に、3分~5分休憩、トレーニング時間は1時間くらいでよいでしょう
3. 根気よく
できなくてもすぐにあきらめないこと。
特に心理的な原因からくる吠えや噛みなどは、犬自身が安心したりして初めて根本的な解決となるので時間がかかるものとして受け入れよう。
「リーダーウォーク」をマスターしよう
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飼い主が犬に引っ張られながら散歩をしている姿をよく見かけますが、これは犬に主導権、ペースを握られているため良くない状況です。
そのうち、飼い主の言うことを聞かなくなり、人をかんだり、ほかの犬とケンカしたりするようになりかねません。
犬を連れて歩くときの基本はリーダーウォークで、犬主導ではなく人のペースでお散歩できるようにしておきましょう。
リーダーウォークとは、犬が横につき、人の歩調に合わせて歩くことです。
犬に「飼い主に逆らって歩いたり、引っ張ったりすると歩きにくい」と認識させるトレーニングを行います。
まずリードをたるませ、犬を左側につけるのが基本姿勢(左側走行のため)。
歩き出し、犬が前に出ようとしたらすかさず反対方向へ歩きます。嫌がっても何も言わずに反対側を向き、犬がこちら側に動くまで待ちましょう。根比べになりますが、犬が折れてくれることで主導権を渡さないようにしていきます。
これを繰り返し行い、犬が自分からついてくるようになったらよく褒めてあげましょう。
リーダーウォークのトレーニング
1. リードをたるませて持ち、犬を左につけて歩き出す。
2. 犬が前へ出ようとしたら、くるりと方向を変えて歩く。
犬が前に出るたびに違う方向に歩くことを繰り返し行う
3. 犬が自分からついてくるようになったり、人が止まれば犬も自動的に止まるようになったらよく褒める。
リーダーウォークをするポイント!
◎ リードは張らない、たるませること
◎ 犬の顔を見ず、しらん顔をして黙ってさっそうと歩く
「ホールドスティル」で人間は安全と教える

これはリーダーである人間に犬が安心して体を預けられるようにするしつけです。
犬の従属性と飼い主への信頼感を育てるのに効果があります。
一昔前は強制的に行う方もいましたが、今ではどちらかというとタッチングの一種に近く、どこでも身体を触らせてもらえるように、保定(診察の時に身体を固定)に近い役目を果たし、診察時の練習に良いでしょう。
膝をついて座り、足の間に犬を座らせたら、ゆっくりと犬を背中側から抱き寄せます。
はじめはじっとしていられませんが、黙って抱きしめ犬が落ち着いたらその体勢のまま、片手でマズル (口吻部
分)を持ち、ゆっくりと上下左右に向かせてマズルをコントロールしていきます。
また、犬が抵抗しても途中で中止しないことが大切です。
それは犬が「抵抗すれば嫌なことをされなくてすむ」と思ってしまうからです。
何度か行ううちに、犬の気持ちが落ち着き体を預けてくるようになるので、気長に行いましょう。
ただし、極度に攻撃的な犬の場合はかまれる恐れがあるのでプロに任せましょう。
ホールドステイルのトレーニング
1. ひざの間に犬を背中向きに座らせる。
次に両手でゆっくり抱き寄せる静かに座れたらほめる。
2. 犬が落ち着いたらその体勢のまま、片手で下から包み込むように犬のマズルを持ち、ゆっくり上下左右に向かせる
3. 何度か繰り返し、犬が素直に従うようになったら徐々に解放する。
ホールドスティルのポイント
◎ しからずに、黙って落ち着いてゆっくりと行い、途中でやめない
◎ 嫌がるときは体を密着させて片手でマズルを持ち片手で抱きしめ静止させる
タッチング「タッチング」でどこに触られても平気な犬に
ホールドステイルができるようになったら、次はタッチングを行いましょう。
これは、人に触られても平気なようにするしつけです。
とくに足先や鼻、耳、尻尾などの神経が敏感なところにふれても大丈夫なようにします。
犬にとってふれられたくない部分に触ることによって「人間が触っても痛くない、大丈夫だ」と理解させましょう。
これは、日頃の耳や爪などの手入れをしやすくするばかりでなく、動物病院での診察や治療をスムーズに行うためにも必要なしつけです。
まず、ホールドステイルの体勢からはじめます。
ホールドステイルで犬を落ち着かせたら、太ももに犬を腹ばいに寝かせます。
次に仰向けにして、ゆっくりやさしく、犬の体をなでます。足先、鼻、耳、尻尾を中心になでましょう。
タッチングのトレーニング
1. ホールドスティルの体勢を取り、犬を落ち着かせる
2. 両足を伸ばし。太ももに犬を腹ばいに寝かせる
3. 次に仰向けにして犬の身体をマッサージするように撫でる。
とくに足先、鼻、耳、尻尾を丁寧に
4. 終わり方は、再び腹ばいに戻し、ホールドスティルの体勢にして開放する
タッチングのトレーニングのコツ
◎ 各段階で静かに出来たらよく褒める
◎ 暴れても叱らず、抱きしめて落ち着かせてからもう一度行う

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