嗅覚や聴覚、忠誠心など、生まれつき持った優れた能力を活かして、人間社会の様々な分野で活躍している犬はたくさんいます。
警察犬、盲導犬はその代表格ですが、最近では高齢化社会を反映して、介助犬や聴導犬など人の身の回りをお世話する犬も増えてきました。
犬が働くことに議論されることもありますが、医療や技術の進化で犬の活躍がなくとも過ごせることも嬉しいことですし、犬がユーザーさんの心を救うのも意味があることだと思いますので、上手く共生できると素敵だな、と思います。
これらの犬が働いている姿を見かけた時は、声をかけたり、おやつを与えたりしてしまうと、犬の集中力がなくなり、仕事に支障をきたしてしまうため、暖かい目で見守ってあげましょう。
警察犬

すぐれた嗅覚を生かし、人では嗅ぎ分ける事の難しい犯人の追跡や行方不明者の捜索、鑑識活動などを行うほか、各地の国際空港で到着した荷物のにおいをかぎ分けて麻薬などを見つける麻薬捜査犬もいます。
警察で所有している直轄犬は少数で、ほとんどが民間委託の嘱託犬。民間で育てられ、認められた犬が活躍しています。
もっとも多い犬種は、忠実で勇敢なジャーマン・シェパード・ドッグで、大型犬がメインではありますが最近では小型犬も増加してきました。
理由としては、街中でも大事にならないように溶け込んで捜査ができるメリットがあります。目立つシェパードやドーベルマンが捜査していると、犯人も気づいて逃げる他、周りの人々にも不安を煽ってしまいます。
身体能力の高さや忠実さ、犯人への威圧という意味では大型犬の方が能力を発揮しやすいですが、パニックを起こさない配慮から生まれた小型犬警察犬の活躍にも期待したいですね。
盲導犬

目の不自由な人のパートナー。彼らの目の代わりとなって、どこにでも同行します。
補助犬の中でも群を抜いて一般的にも名前が知られている犬のお仕事ではないでしょうか。
全国で働く盲導犬の数は2016年の頭数で、966頭。希望者数が数万人と言われていますのでまだまだ育成不足な状態です。盲導犬を育成するには、大まかにパピーウォーカーさんに預けられ子犬のうちは一般家庭での愛情やしつけなどを学び、次に訓練所にて訓練、そして試験に合格すれば盲導犬としてユーザー様の元へ。
約8歳になると、犬自身の老化を考慮し、犬もユーザー様にも影響が出てくるため、老後はリタイア犬として一般家庭のお家で生涯を終えることが多いです。
そのほとんどの犬種が、性格が温和で従順なラブラドール·レトリーバー。人を支える役目があるので、小型犬では適正が難しいですが、大型犬で基準をクリアすれば、ラブラドールレトリバーやゴールデンレトリバーでなくても盲導犬になることができます。
しかし、唯一補助犬として大衆に知られる盲導犬であっても、補助犬が許可された施設でさえ入店を断られたりと度々問題になることがあります。
現在でも残念ながら、お店側との理解や共存には壁や障害も残っています。
介助犬
手足の不自由な人のために、ドアを開閉したり、エレベーターのボタンを押したり、電話をとったりなどの手
助けをします。
盲導犬と同じ補助犬です。介助犬は大型種のみだけでなく、中型種も活躍します。
靴下の着脱なども直接口が触れ合うようなことも手伝ってくれることもあるため、大型犬だとユーザー様に恐怖心を与えてしまいますため、中型犬が多い印象です。
車いすの横について歩き、街中での補助をすることもあります。
教えれば補助するお仕事はその都度増やすこともでき、犬も褒めてもらえ、ユーザー様も助かります。
人には遠慮して頼みにくいことも、介助犬というパートナーだと安心して頼みやすいという精神的なメリットの他、介助犬をお世話することで手先が動くようになったりとリハビリ効果があった事例もあります。
聴導犬
耳の不自由な人にいろいろな生活音を知らせる犬。
電話や玄関のチャイム、目覚ましや火災報知機の音、時計のベル、湯が沸いた音などを教えてくれます。
人がいなくてもチャイムに気づいて荷物を受け取ることができたり、避難しなくてはいけない時に近隣の方がチャイムで知らせてくれても分からずに命を落としてしまう事故も、減らすことができます。
音をお知らせする犬なので、特に定まった犬種はなく、保護犬から聴導犬になった事例もあります。
意外にも音にほどほどに鈍感であることが適正であったりと、聞き分ける力が要されるお仕事です。
災害救助犬

警察犬の一種とされることもありますが、災害救助犬は災害救助犬としてのトレーニングも必要になることも。
保護犬から災害救助犬になったことも大きなニュースとなりました。
鋭敏な嗅覚を生かして、土砂くずれや震災などの災害現場でがれきの下に埋まった人を発見します。
基本的には生存者を救うために、生きている人のみ嗅ぎ分け、少しでも早く救助できるように訓練されています。
1995年の阪神·淡路大震災、2004年中越沖地震、2011年東日本大震災や海外の大地震でも多くの犬が活躍しました。
瓦礫の間も軽々と乗り越え、人が立ち入ることができない場所で遠目でも分かりやすいように大型犬が多く活躍します。

![]() |
子犬から老犬まで、犬の一生 |
|---|
![]() |
なんでしつけは必要なの? |
|---|
![]() |
犬の1年*四季に応じた健康管理 |
|---|
![]() |
犬の散歩、不要?必要?ペットショップでお散歩いらずと言われても |
|---|
![]() |
人と犬の関係性を築くためのトレーニング -BOSSではなく信頼のおけるリーダーに- |
|---|
![]() |
インスタ映えする写真を!6つのコツで愛犬を可愛く撮ろう |
|---|
![]() |
万全の準備で、犬と一緒に旅行にでかけよう! |
|---|
![]() |
犬を飼うにあたっての飼い主の義務 |
|---|

















